2009年7月23日

さいご

弟が試験勉強をしていて、勉強の傍ら、突如笑いだしたり歌いだしたり教えだしたり焦りだしたりボールを蹴りだしたりして24時間忙しそうだ。そのうえ風邪っぴきだから母親に夕ご飯のお菜をとりわけてもらったりして、その姿はさながらボケてしまった人のよう。

そんなことを話していたら、ご先祖様の話になった。聞いた話だから真相は知らないけれど、変わった最後の人たちがいて、例えば終戦後に帰国する船から酩酊状態でうっかり海へ飛びこんだとか、ゲートボール大会の優勝がかかった一打で緊張してとか、知人の家で飲んだ後寝てそのまま起きずにとか。で、必ずこの話になると我が家は、そのまぬけっぷり(失礼)に大爆笑して終わる。
そういえば、映画「アニーホール」でもアニーの伯父さんはナルコレプシーで、クリスマスの七面鳥をもらう為に並んでいてうっかり寝ちゃったらそのまま起きなかったし、「リトルミスサンシャイン」では孫に蛇の物まね指導をした後、薬物の過剰摂取でそのまま起きなかった。
そういえば、帰ってきたら私のおじいちゃんはジッポライターになって鎮座していた。

この1年で(というのはつまり留学していた1年で)、世界では色々な人が亡くなった。そして私の近しい人も、尊敬する人も亡くなった。いささか長く辛い終わり方だったと思う。

願わくば、自分や周りの人が亡くなる時は、辛く悲しくなく訪れてほしい。少なくとも当人にとって悲しくないといい。たとえ病気だったりしても。楽しくて、ついうっかりあっちに行っちゃったよ、的なかんじで。

誰それがいなくなるということについて前もって覚悟なんかしたくないし、考えたくも受け入れたくもないです。

まぁとにかく、その人を思い出す時に、最後まで可笑しかったね、といって笑えるのってとってもしあわせなんじゃなかろうか。わたしはそうやって人を思い出したいなぁと思います。それに、自分のこともそうやって思い出してもらいたいです。出来れば。


友人曰く、ある日ぽっと死んで、何も残らない、それでいいんじゃないか、と。でも辛いこととか悲しいことが上塗りできるくらいに楽しかった記憶を残してほしいです。終わりよければすべてよし。

そんなわけで、いつも笑いを提供してくれるご先祖様、ありがとうございます。思い出す度に、みんなで笑って幸せな気持ちになります。ついでに弟が落第しないように奇跡を、私には修論のアイディアを、どうぞよろしくお願いします。

0 件のコメント:

tag

Belguim (46) boek (3) Cambodia (3) Croatia (1) Dans (2) film (3) Finland (5) France (5) Germany (6) Holland (3) Italy (28) Japan (35) Kashiwa (11) Music (2) Neko (10) Spain (4) SWEDEN (3) ベルギー留学準備 (7)

archive